鼠経ヘルニアの手術の際に、尿道カテーテルは必要ですか?
鼠径ヘルニア手術の所要時間は短いため、尿道カテーテルは不要です。
手術の前後にご自身で排尿することが可能です。
日帰り手術について
入院でも日帰りでも、鼠径ヘルニアの手術内容に大差はありませんが、麻酔方法には違いがあります。
使用する麻酔法によって、手術後の回復時間に顕著な違いがあります。
入院手術では、気道にチューブを挿入するような深い全身麻酔や脊椎麻酔(背中から針を刺す下半身麻酔)で実施することがほとんどで、侵襲が大きくなります。
また、術後の食事制限や、麻酔の副作用で排尿が難しくなるために尿道にカテーテルを挿入する場合もあります。その場合、麻酔薬の副作用が消えるまでいつも通りの日常生活を送ることは難しいため、入院して頂かなければなりません。
特に脊椎麻酔では、術後に排尿困難や頭痛などが起こり、手術の痛みよりも大変だったというお声を頂くこともあります。深い麻酔によって手術を進めやすくなりますが、患者様の苦痛が増えるというデメリットがあります。 鼠径ヘルニア手術では、そこまで強い麻酔でなくても進められることがほとんどですので、当院では必要以上に麻酔を使わないように配慮しております。
術後の過ごし方と注意事項
鼠径ヘルニアの手術後は、少しずつこれまでの日常生活に戻すことが重要です。
日帰り手術で、当日から負担のかからない日常生活は遅れますが、腹部に力のかかる運動の制限はあります。術後の医師からの指示をきちんと守ってください。
具体的には、下記をご参照ください。
- 手術から当日シャワー浴が可能です。バスタブに浸かるのは翌日からでお願いたします。
- 激しい筋力トレーニングは術後3週間以上経つまで控えてください。
- スポーツやジョギングなどは、2週間ほど控えてください。
- デスクワークなど腹部に負荷がかからない仕事は、翌日からであれば問題ございません。
- 食事はいつも通りで構いませんが、飲酒は術後3日間禁止です。
- 2~3週間は力仕事を控えてください。
その他、ご不明点やお困りごとがあれば、遠慮なくご相談ください。
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