腹腔鏡手術は、開腹手術と比べて高度かつ多岐にわたる診療機材が必要となり、手術を行う医師には高いスキルが求められるため費用が高くなります。なお、日本には医療費の負担を軽減する制度があります。
日本では医療に対する補助制度が整っており、どなたでも高度な医療を安心して受けることが可能です。腹腔鏡手術は、患者様の状態によっては適さない場合もありますが、医療技術の進歩により、なるべく低侵襲な手術方法が選択されるようになっています。こうした手術は、使用する機材の種類が多岐にわたり、その中には使い捨ての機材も複数存在します。また、それらの機材の大多数が専用のものであるため、どうしても開腹手術よりも手術費用が高くなってしまいます。また、高度なスキルを持つ医師が手術を担当する必要があり、腹腔鏡手術の経験が豊富な医師は、日々技術の研鑽に努めています。
高度な医療が広く利用できる背景には、健康保険制度と高額療養費制度の存在があります。全ての医療機器や人件費を患者様に負担して頂くことになると、高度な医療を受けられるのは経済的に余裕がある一部の人に限られてしまいます。しかし、日本ではこうした制度が整っているため、腹腔鏡手術のような高度な医療が広まり、患者様の負担を軽減することで、どなたでもその恩恵を受けられる、世界でも有数の充実した医療環境を実現しています。
費用面については、まず健康保険が適用されるため、患者様の負担は非常に少なくなります。3割負担の場合、開腹手術では○○円、腹腔鏡手術では○○円となります。しかし、「高額療養費制度」によって、ほとんどの方は、超過した分は後日払い戻されます。さらに、マイナ保険証を使うことで、高額療養費が窓口で自動的に適用され、支払額が上記のように軽減されます。
開腹手術と腹腔鏡手術の負担額には差がありますが、それ以上のメリットが間違いなく存在すると思います。実際、それ以上の費用がかかっているのです。
鼠径ヘルニアの手術方法でお悩みの方は、安全性や術後の回復などを考慮し、腹腔鏡手術を選択することをお勧めします。
関連ページ
- 鼠径ヘルニア
- 鼠径ヘルニア日帰り手術
- 鼠径ヘルニア(脱腸)が再発する確率は高い?理由と対策について解説
- 鼠径ヘルニアの手術の前に、自分で剃毛したほうがいい?
- 鼠径ヘルニアの修復術とからだに負担が少なく安全な方法
- 鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術の疑問に医師がお応えします
- 鼠径ヘルニア(脱腸)の手術後、運動やリハビリについて
- 鼠径ヘルニアの手術後、運動や性生活について
- 鼠径ヘルニア手術で尿道カテーテルは必要?
- 遠方にお住まいの患者様へ
- 医療機関の皆様へ
- 鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術にかかる費用と高額療養費制度・限度額適用認定証
- 鼠径ヘルニア(脱腸)セルフチェック
- 鼠径ヘルニア(脱腸)の痛みはどのようなものですか
- 鼠径ヘルニア手術の全身麻酔は安全?
- 太ももの付け根のでっぱりの正体とは?
- 「脱腸」と「鼠径ヘルニア」は同じなの?
- 鼠径ヘルニアは何科を受診すればいいの?
- 鼠径ヘルニア(脱腸)の手術、両側同時に行うことはできる?
- 鼠径ヘルニアは自分で治せますか?
- 鼠径ヘルニアQ&A
- 鼠径ヘルニア手術:傷も痛みも最小限、さらに適切な麻酔で痛みを低減
- 鼠径ヘルニア(脱腸)手術の合併症リスクと低減の取り組み
- 鼠径ヘルニア(脱腸)の【腹腔鏡手術】と【鼠径部切開法】を比較