鼠径ヘルニア日帰り手術

鼠径ヘルニア日帰り手術 Inguinal Hernia Day surgery

当院は鼠径ヘルニアの日帰り手術に対応しています

医療機器、医薬品、麻酔技術、手術技術が大きく進歩したことで、全身麻酔を要する腹腔鏡手術でも、手術当日のご帰宅が可能な「日帰り手術」をご案内できるようになりました。当院では、ご来院からご帰宅まで3~4時間程度で日帰り手術を行うことが可能です。ご帰宅後も普段通りの日常生活を送ることができるほか、次の日からはお仕事も再開できます。全ての患者様に日帰り手術を行える訳ではありませんが、大多数の方には日帰り手術のメリットを享受して頂けると考えております。
日帰り手術はアメリカでは一般的であり、手術全体の7割程度が日帰り手術となっています。以下では、当院の日帰り手術の内容やメリットについて詳しく解説いたします。

当院は鼠径ヘルニアの日帰り手術に対応しています

日帰り手術のメリット

  • 入院が必要ない
  • 心身の負担を抑えられる
  • 医療費の負担が減る
  • 日常生活への影響がほとんどない

鼠径ヘルニアの日帰り手術では、細いカメラと腹腔鏡を使うことで、傷を最小限に留め、患者様にも負担がかかりづらくなっています。総合病院などで行われることが多い手術方法とは異なり、日帰り手術の場合、手術の次の日から学業や仕事、家事などの日常生活に復帰できることが多い点が大きなメリットと言えます。
手術日が予め決まっているため、入院までの待機時間もありません。そのため、入院のための手続きや準備が不要となり、家族と離れることもなく、精神的なストレスが減ります。それにより、日常生活への影響も最小限となります。
手術当日はご家族の同伴をお願いしますが、ご家族に依頼することはそこまで多くありません。また、入院費用の負担が発生しないため、医療費を2~5割程度減らせる点もメリットと言えます。

日帰り手術をおススメする方

休みを取るのが難しい

ご来院からご帰宅まで4時間程度で日帰り手術を行うことが可能であり、長時間予定を空けて頂く必要はありません。

普段通りの生活に早く戻りたい

手術の次の日から普段通りの日常生活を送れるため、生活リズムが崩れる心配がありません。

ご家族に負担をかけたくない

入院の保証人をお願いできる方がいない場合や、ご家族に小さな子どもや介護が必要な方がいる場合は、日帰り手術によってご家族への負担が減ります。

長期間ご自宅を空けるのが難しい

長時間の外出ができない方にも日帰り手術を推奨します。

入院・受診状況を周囲に知られたくない

入院や受診を周囲の方に秘密にしたい場合も、患者様のプライバシーに最大限配慮している日帰り手術を推奨します。

日帰り手術が難しい方

当院では、安全に関するルールを厳しく守って日帰り手術を行っております。日帰り手術の実施可否については、患者様の全身状態を医師が注意深く確認して判断します。安全第一で判断させて頂くため、場合によっては日帰り手術をご案内できない患者様もいらっしゃいます。なお、持病がある方でも、場合によってはご案内できることがありますので、一度ご相談ください。
ご不明点があれば、お気軽にご相談ください。

  • 重度の糖尿病を患っている方
  • 重度の呼吸器疾患や心臓病を患っている方
  • 重症の血液凝固障害や貧血を患っている方
  • 重度の肝不全や腎不全を患っている方
  • 免疫不全になっている方
  • 肺動脈血栓や深部静脈血栓になったことがある方
  • 喘息発作が起こりやすい方
  • 肥満体型(BMI30以上)の方
  • 人工透析治療を受けている方
  • 手術当日にご家族などの同伴が難しい方
  • 前立腺手術や下腹部の開腹手術歴の経験がある方
  • 入院による治療や手術を希望される方

日帰り手術をご案内できない場合、患者様のご希望に合わせて、入院治療に対応している医療機関にお繋ぎします。

日帰り手術までの流れ

以下では、当院で日帰り手術を行う際の初診から手術完了までの流れを解説いたします。
患者様には、①手術前の診察・術前検査、②検査結果・手術説明、③手術当日と3回のご来院をお願いいたします。手術後の再診は手術1週間後に予定します。その他の日程でも術後経過に問題がある場合、いつでも対応可能ですのでご安心ください。

初診(術前の診察)

  • 初診には予約が必要です
  • 患者様のプライバシーに最大限配慮します

当院の診察には予約が必要であり、初診の患者様の場合、術前診察と術前検査には約15分頂いております。診察の際、生活環境や症状などを詳しく確認し、正しい診断に繋げて参ります。女性の患者様には女性スタッフが必ず付き添いますので、ご安心ください。

問診

前もってご記入頂いた問診票に基づき、生活習慣や症状、手術歴、既往歴などを確認し、日帰り手術の実施可否を検討します。

問診

診察

立った状態でお腹に力を入れて頂き、鼠径ヘルニアの有無を確認します。疑わしい膨らみがある場合、触診を行います。触診の結果から、鼠径ヘルニアの確定診断と、手術の難易度を評価します。

診察

手術前の検査

心電図、血液検査、呼吸機能検査を行います。必要があれば、連携している医療機関で心臓機能検査やCTを受けて頂く場合もあります。なお、既に別の医療機関で実施済みの検査があれば、持参してください。そちらは省くこともできます。

手術前の検査

手術に関する説明

術前検査の結果、全身麻酔での手術に問題がなければ、麻酔や手術の進め方、手術前後の注意事項などを、医師と看護師が分かりやすくご説明いたします。説明には約15分頂いております。ご不明点や心配なことがあれば、遠慮なくご相談ください。

手術に関する説明

日帰り手術当日の流れ

手術は全身麻酔で行います。腹腔鏡技術を用いることで、痛みと傷がなるべく生じないようにしております。

ご来院

予約時間までにお越しください。手術当日は絶食となりますが、水分(水、茶、OS-1、スポーツドリンクなど)補給は予約時間の2時間前までなら構いません。万が一飲食をしてしまった場合は、必ず医師にお伝えください。

ご来院

手術の準備

個室で手術の準備を行います。当院で準備した手術着に着替えて頂き、血圧と体温、酸素飽和度、心拍数を測り、麻酔の点滴を行います。

手術の準備

全身麻酔の開始

手術室で患者様の状態を確認し、全身麻酔を行います。麻酔薬は手術が終わるまで投薬を続けますので、手術中に効果が切れてしまう心配はありません。また、麻酔で眠っている間は呼吸が低下しますが、人工呼吸器でサポートいたします。

全身麻酔の開始

手術

麻酔をした上で手術を行いますので、痛みが生じたり、手術中に目覚めたりすることはありません。手術の所要時間は30分~1時間程度ですが、手術器具の準備や腹部の消毒なども含めると、手術室の滞在時間は1時間~1時間半程度となります。

手術

回復

術後に麻酔が切れて5分程度で覚醒します。安全と覚醒の確認が終了したら、リカバリールームで1時間ほど休憩して頂きます。休憩中もスタッフがこまめに痛みやバイタルサインをチェックしますので、ご安心ください。

回復

診察からの帰院

医師の診察で異常がなければ鎮痛剤の処方箋をお渡しし、お会計終了後ご帰宅頂けます。
高額療養費制度の減免証をお持ちの方は、減免後の金額でお会計ができます。
ご家族など同伴の方とご帰宅頂きますが、ご自身で車を運転することはお控えください。

診察からの帰院

ご自宅内での過ごし方

ご帰宅後は普段通りの日常生活を送って頂きますが、激しい運動は避けてください。食事は普段通りで問題なく、手術当日からシャワー浴可能で、翌日からは入浴もして頂けます。痛みの感じ方は人によって異なりますので、鎮痛剤を5日分お渡しします。(痛みがない場合は使用しなくて良いです。)次の日からは学業やお仕事に戻れますが、腹部に圧力がかかる激しい運動は術後2週間経つまでは控えてください。

ご自宅内での過ごし方

アフターケア

日帰り手術から7日目に術後の経過観察のため再診いたします。再診までに術後経過で問題がある場合はいつでも診察可能です。

日帰り手術の安全性について

日帰り手術は厳しい安全管理ルールを遵守して行います。通常は入院を要する手術を日帰りで実施するためには、チーム医療の実施と、経験豊富なスタッフが日帰り手術のための安全ルールを厳守して手術を行うことが不可欠です。当院では、安心安全な日帰り手術をするために、以下のような対策を行っています。

専門医を中心としたチーム医療

専門医を中心としたチーム医療

当院では、日帰り手術の経験豊富なスタッフが協力し、厳しい安全管理ルールを守ることで、患者様が安心安全に術後の日常生活を送れるようにサポートいたします。
手術では、外科医が手術に専念し、麻酔科医が患者様の状態をリアルタイムで確認するなど、万全な協力体制を取ることで、安心安全な手術を実現しています。
また、手術前から患者様の生活習慣や持病などを適切に把握し、念入りな診察を実施します。術後は、看護師が患者様のご様子を確認し、全身麻酔・手術からの回復状況を適切に把握します。このような丁寧な対応によって、安心安全で負担の少ない日帰り手術を実現しています。

日帰り手術の適用基準を順守

日帰り手術の適用基準を順守

日帰り手術の実施可否は、外科的視点による確認(過去の手術歴を考慮した手術の難易度)、麻酔科的な評価(特定の不整脈の有無など)、社会的条件(同伴者の有無)など厳格な基準に基づいて判断します。
こうした基準は、日本だけでなく世界各国の日帰り手術に対する最先端の見解に則って作成されます。手術前の診察・検査によって、麻酔科専門医と外科専門医が連携してリスクを判定し、日帰り手術の実施可否を検討します。持病があっても日帰り手術を行えることは少なくないため、術前診察の際に詳しくお話を伺います。
日帰り手術を行えないと判断される場合は、提携先の医療機関をご紹介し最適な治療を受けられるようサポートいたします。

帰宅基準の明確化

手術終了から1時間半~2時間後にご帰宅が可能です。早期離床によって、肺炎、無気肺、深部静脈血栓症、低酸素血症、肺塞栓症、せん妄などが起こりづらくなります。全身麻酔をしても、多くの患者様は手術から2時間以内にしっかりとした足取りでご帰宅が可能です。

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