当院で実施する鼠径ヘルニア(脱腸)の腹腔鏡手術は、陰部に傷が生じないため、剃毛は不要です。傷は、臍の中と、その両側2箇所の合計3箇所にそれぞれ5mmほどのものができます。臍部の剃毛を行うケースが稀にありますが、感染を予防するために、全身麻酔で患者様が眠った状態で、手術を始める直前に当院スタッフが実施します。したがって、患者様ご自身では剃毛しないでください。
診察時にも詳細をお伝えしますので、心配はいりません。
手術前の検査と準備
術前検査では、心電図検査・血液検査・胸部レントゲン検査だけでなく、必要な患者様には他院でCTや心エコーなどの追加検査をお願いする場合もあります。
当院では、麻酔科専門医がこれらの検査結果を基に、全身状態を注意深く確認します。
安全な治療をするために、こうした準備は欠かせないものです。
なお、肺や心臓などの臓器で深刻な疾患がある場合、当院では治療を行えないこともあります。
食事や水分摂取の制限について
手術前日の21時までに食事を終えて、その後は食事を控えてください。
お茶や水など一部の飲み物は、手術予定時間の2時間前まで飲むことができます。
制限時間以降に食事や水分を摂ると、胃の内容物が肺に逆流する誤嚥が起こりやすく、非常に危険です。
こうした注意事項をお守り頂けていない場合、別日に延期しなければならないこともありますので、ご理解頂けますと幸いです。
禁煙について
タバコを吸う方は、初診日以降は禁煙してください。
当院では、腹腔鏡手術で必ず全身麻酔を実施します。
禁煙していない状態で全身麻酔をすると、周術期合併症のリスクが高まります。
日帰り手術とは言うものの、当院から提供する医療は一般病院のものと同じです。
繰り返しとなりますが、タバコを吸う方は、禁煙して頂くようお願い申し上げます。
手術前の体動制限について
腹部に力が入るお仕事や運動は、手術まではできるだけ控えてください。
臓器がヘルニアの穴に嵌る嵌頓状態になる可能性があり、待機期間中に緊急手術を要する恐れがあります。
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