鼠径ヘルニア(脱腸)が再発する確率は高い?理由と対策について解説

鼠径ヘルニア(脱腸)が再発する確率は高い?理由と対策について解説 Inguinal Hernia

鼠径ヘルニア(脱腸)は、再発リスクを伴う病気です。手術によって完治可能ですが、再発リスクをゼロにすることは不可能です。しかし、最初の発症時に最適な手術を行い、その後の日常生活でも十分に対策することで、再発しづらくすることはできます。鼠経ヘルニアは、日帰りで手術を行えますが、入院手術よりも再発しやすいということはありません。当院では、鼠径ヘルニアの日帰り手術の様々な対応経験を活かし、術前術後に万全な処置を行うことで、患者様が不便なく日常生活を送れるよう尽力いたします。

鼠経ヘルニア(脱腸)の再発リスク

鼠径ヘルニアの再発リスクはゼロにはなりません。なお、手術技術が向上したことで、着実に再発リスクは低くなってきています。2010年より前に鼠径ヘルニア手術を受けた方は、当時使われていた手術器具の性能を考えると、再発が起こりやすい場合があります。

鼠経ヘルニア(脱腸)の再発リスク

再発の確率は手術法で異なります

手術方法や、使用するメッシュによって、再発リスクは異なると考えられています。

  • 現在使われることが多いメッシュ…1~3%
  • 2010年頃まで使用されていたメッシュ法…5~10%
  • 2000年前後まで一般的だった筋肉を縫合する方法…10~35%

メッシュによって鼠径部をカバーすることでヘルニアの脱出を防止できますが、古いメッシュが年々縮小することで、完全に覆えなくなる場合があります。リスクについては様々な見解があり、患者様によっても異なるため、目安としてご判断ください。

再発したら早めに手術を受けましょう

「再発したかもしれない」と受診された場合、前回の手術を行った時期やその手術の方法などを確認します。そして、触診や各種検査によって再発かどうかを確認します。再発の確定診断となった場合、改めて手術を受けることをお勧めします。初回手術ではないため、癒着等が想定されるため、あらゆる事態に対応可能な入院での治療が望ましいと考えます。その際は、連携医療機関におつなぎします。再手術によって再発原因が分かる場合もあります。

反対側の鼠径部に発症することもあります

右側で鼠径ヘルニアが起こった方は、左側でも起こりやすいと言われており、1割以上の確率で起こります。なお、逆側で起こる場合は「再発」には該当しません。しかし、鼠径ヘルニアの発症歴がある場合、筋膜が衰退しているため、発症歴がない方よりも逆側の鼠径ヘルニアが起こりやすいとされています。

鼠径ヘルニアの再発の原因と前兆

鼠径ヘルニアの再発は手術で防げますが、以下のような術後の生活によって再発が起こる恐れがあります。

  • 力仕事が多い
  • 立ち仕事が多い
  • 下腹部に力が加わる動作をする、激しい運動をする
  • 肥満体型である

もちろん、お仕事の都合で仕方がないケースもあると思いますが、鼠径ヘルニアの発症歴がある場合は、十分に注意してください。

体重を減らして腹圧がかからないようにしましょう

肥満は鼠径ヘルニアを引き起こす原因の1つです。そのため、ダイエットによって鼠径ヘルニアの再発を防げるとされています。大きな咳や便秘だけでなく、前立腺肥大など腹部に力が入る状態によって、ヘルニアに繋がる恐れがあるため、生活習慣の改善をお勧めします。なお、再発防止のために筋トレに励む方がいらっしゃいますが、腹筋では筋膜を強化することはできず、お腹に力が入るのみで再発を防ぐことには繋がりません。むしろ、力が入ることでヘルニアの再発を招く恐れがあります。

鼠径部のふくらみやしこりに気づいたら、早めに受診しましょう

一度目の鼠径ヘルニア発症と同様に、鼠径部の膨らみを発見したら注意が必要です。また、症状が鼠径部の痛みのみというケースもあります。基本的に、一度目の手術から1~2年後に再発する場合と、過去の手術方法で手術を受けた方が10年以上経過して再発するケースがあります。再発の恐れがあれば放っておくことは禁物です。嵌頓状態になると緊急手術を要する場合もあるため、しこりや膨らみなどを見つけたら、なるべく早めにご相談ください。

鼠経ヘルニアの再発に関するよくある質問

鼠径ヘルニアが再発した疑いがあれば、お早めに当院までご相談ください。しこりや痛みが次第に悪化する可能性があります。当院では、診察当日に手術の予約を取って頂くこともできます。また、以下で再発に関するよくある質問を記載しておりますので、参考にしてみてください。

再発した場合、手術は必要ですか?

鼠径ヘルニアが再発した場合、手術を受けることを推奨します。再発の診断は、医師による診察や超音波検査、CT検査などの結果を基に下しますので、お早めに専門医へご相談ください。

過去に別の病院で手術を受けたことがありますが、診察を受けられますか?

可能です。診察の予約をお取りください。診察の際に、前回の手術の方法や時期などを可能な範囲で教えて頂きたいと思います。再発に対する手術に関しては、癒着など様々な可能性が考えられるため、入院可能な施設での手術をお勧めします。再発の診断となりましたら、連携医療機関をご紹介いたします。

どうすれば再発を防げますか?

生活習慣の見直しをお勧めします。力仕事や立ち仕事はすぐに調整できないかもしれませんが、禁煙やダイエットなどは再発防止に有効です。なお、再発した場合は完治のために手術が必要ですので、なるべく早めに当院までご相談ください。

気になる症状は早めに相談ください

当院では、鼠径ヘルニアの日帰り手術に対応しています。鼠径ヘルニアの様々な症例を経験している外科医や麻酔科医が、患者様の身体に負担をかけないように手術を行います。お困りの症状があれば、お気軽に当院までご相談ください。

疑わしい症状がある方は当院へご相談ください

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